学びの日記

日々の勉強記録

テンソル #4

前回はテンソル代数を導入したが、「ベクトル解析と多様体」を教科書に変えて引き続き学習。

より一般に、R,V,V*からテンソル積を作って得られる空間をV上のテンソルという。前回と比べるとV*が新たに加わっているが、例えばVV*というようなテンソル積を考えるということであり、Vの元xとV*の元aを引数にとる双線形関数f(x,a)→Rを考えるということである。

このとき、VV*V*Vというふうな同型対応で同一視するならば*1、Vをp個、V*をq個組み合わせたテンソル空間は、V…⊗VV*⊗…⊗V*と同型になるので、Vの数とV*の数だけで特定できる。この元を(p,q)テンソル、もっと詳しく言うとp階反変q階共変テンソルという。

共変とは通常の(Vの)ベクトルと座標変換に従い、反変とはVのベクトルとは逆の(=基底の変換と同じ)座標変換に従うという意味。例えばV上のベクトルは1階反変テンソル、V上のベクトルの双線形関数は2階共変テンソルである。単なる数は(0,0)テンソルで、物理界隈ではスカラーということが多い。 

 

 

 

*1:物理学への応用上、ここの同一視をしてテンソルを扱ってきた歴史がある。