学びの日記

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気象学 | 大気の鉛直構造

引き続き、大気の鉛直構造について。

大気は温度変化の極大・極小となる高度を基準に4層に分けられる。めちゃくちゃざっくりいうと次のようになる。いろいろ端折ったものの、成層圏はなかなか複雑。

対流圏

地表は太陽で暖められるので、上空ほど気温は低い。大気は鉛直方向も水平方向も運動がさかんで、気象現象の舞台は基本ここである。水蒸気も多く、気温の高い夏には大雨が降る。

高度5km上がるごとに気圧が半分になる。ということからすると、大気の半分は5kmにあり、大気の8割が対流圏にあるという計算になる。成層圏との境界である対流圏界面は、気温の高い低緯度ほど高く、気温の低い高緯度ほど低いが、その間で所々不連続になっている。

成層圏

オゾンが紫外線を吸収して発熱するため、上空ほど気温が高い。ピークはオゾン濃度最大の高度よりも上だが、上ほど密度が小さく熱容量も小さくて暖まりやすいからである。

南北にわたる大きな循環(ブリュワードブソン循環)があり、オゾンもこれにのって循環しているが、特に9-10月の極域には低気圧性の極渦ができ、そのまわりを極夜ジェットが吹くので内部にオゾンが入れずオゾン密度の小さい「穴」ができる。これがオゾンホールである*1

ほか、いろんな成層圏特有の現象がある。

中間圏

中間圏は再び上空ほど低温になる。ただ気温減率が小さいので活発な鉛直運動はない。下部の影響から、気温は夏ほど低い。対流圏からここまでは比較的大気の大規模運動がさかんなのでよく攪拌されて化学組成は一定になっている。

熱圏

ここではもはや空気密度は非常に小さく、分子も太陽により電離する。これにより4層からなる電離層が存在している。オーロラが生じるのもこの層。気温や電離密度はそういうわけで太陽の影響を強く受け、昼夜で温度差が数百度にもなる。

*1:オゾンホールの機構はいろいろ複雑なので別で改めて学ぶ