テンソル #2
前回の続き。今回は双線形関数。
前回は(V*)*とVの間に同型対応があるからVと同一視する、というお話だった。次にV*×V*という直積集合を考え、この元からRへの関数(つまり2変数の関数)を考える。この2つの変数それぞれに対して線形関数である場合、この関数は双線形関数であるという。
双線形関数の和やスカラー倍も双線形関数だから、双線形関数全体はベクトル空間をなしている。V*上の線形関数全体のベクトル空間をVと同一視したように、V*上の双線形関数全体のベクトル空間をV⊗Vと表し、Vのテンソル積という。
Vの基底を{e_i}とすると、{e_i⊗e_j}がV⊗Vの基底になる。このときV⊗Vの元はij個の成分で表される。
次回は、多重線形代数。今日のお話を一般化する。