学びの日記

日々の勉強記録

靖国神社と公式参拝

靖国神社の起源

明治期、国のために命を落とした死者を追悼するために全国に招魂社とよばれる神社が建てられた。そのうち、東京招魂社が明治12年靖国神社と改称された。なお、地方の招魂社の多くは護国神社と改称された。

公的参拝をめぐる議論

以下が大きな論点。

  1. 憲法第20条に定める政教分離に反しないか。
  2. 戦死者を英霊として祀る神社への公的参拝は、歴史認識に照らし適切か。とくに戦争犯罪人とされる人々が合祀されている場として適切か。

首相参拝の主な経緯

戦後、歴代首相は私人としてたびたび参拝を行っていた。

1985年、中曽根首相が終戦記念日公式参拝中韓の反発を受け、以降参拝せず。

1996年、橋本首相が参拝。公私は明言せず。

2001~2006年、小泉首相が計6回参拝。2006年は終戦記念日に参拝。公私は明言せず。

2013年、安倍首相が参拝。公私は明言せず。

以降は参拝はない。

政府の見解

内閣総理大臣その他の国務大臣靖国神社公式参拝について(昭和60年)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tuitou/dai2/siryo1_7.html

  1. 一定の形式にのっとれば、宗教的意義がなく公的参拝も違憲ではないと判断
  2. 国家神道軍国主義に結びつく懸念を招かないよう十分配慮する

司法判断

1.に関して、憲法判断に踏み込んだ判例は2件あり、いずれも違憲と判断された。いずれも当時の小泉首相が参拝したことに対し賠償を求めたもので、賠償請求そのものは棄却されている。

2004年 福岡地裁

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/141/008141_hanrei.pdf

2005年 大阪高

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/273/002273_hanrei.pdf