学びの日記

日々の勉強記録

免疫学 | アレルギー

前回は免疫全体のざっくりした話だったが、今回はアレルギーについて。

ヘルパーT細胞とアレルギー

前回登場した、免疫反応の司令塔となるヘルパーT細胞にはTh1Th2の2種類がある。またB細胞が作る抗体にも、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類がある(Igというのは抗体の正式名称である免疫グロブリンのこと)。Th1はインターフェロンガンマを放出しB細胞にIgGを作らせ、Th2はインターロイキン4を放出しIgEを作らせる。

Th1とTh2の活動は競合的で、何らかの事情でこのTh2の活動とそれに伴うIgEの産生が優位になってしまったときにアレルギー*1を起こす。

アレルギー反応

IgEがB細胞から放出されるとこれをマスト細胞が受け取る。次にマスト細胞が抗原に出会ったとき、ヒスタミンなどの化学伝達物質を放出する。このヒスタミンがさまざまな細胞に結合しアレルギー反応を起こす。抗ヒスタミン薬は、細胞のヒスタミン受容体をふさいでヒスタミンのはたらきを抑えるものである。マスト細胞はまたインターロイキン4も放出し、IgEの産生をさらに促し、アレルギーは長期化する。

アレルギー反応が生じる人は、ヘルパーT細胞の過剰な働きを抑制するサプレッサーT細胞の働きが弱いためともいわれている。

次回はサイトカインストームについて。

*1:アレルギーにもI型~IV型という4種類があり、ここでいうアレルギーはIgEが関与する最も一般的なI型アレルギーである